2023年02月16日

誰とでも対等な関係を築く交渉術

本日は犬塚 壮志 氏の
頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術
です。


本書の著者は、駿台予備校の講師を経て独立、
現在は東京大学の大学院にて、
認知科学や心理学を専門に学びながら、
教育コンテンツプロデューサとして
活躍されている著者による一冊です。


現代社会では職場や家庭などで、
人間関係にストレスを受けやすくなっています。

しかも、ちょっと間違えてしまうと、
だまされて経済的な負担を抱えたり、
不利な条件で働かされてしまったりと、
誰もが人間関係に無関心ではいられません。

本書では心理学を専門とする著者が、
「交渉」で好ましい人間関係を作る方法を
説いた一冊です。

内容自体は専門的に高度なものも
含まれているようですが、
マンガが入っていたり、
著者がかみ砕いて説明してくれるので、
すんなりと頭に入ってきます。


個人的には
一貫して同じ主張を繰り返して、
多数派の意見を切り崩す
モスコビッチの方略、
専門家集団が集団合議を優先して、
間違えた結論をだしてしまう集団思考、
が特に印象的でした。


人間関係で損をしているな、
と感じている人にはお勧めの一冊です。
自分を利用する人に対抗する術を
教えてくれる一冊になるでしょう。






交渉をうまく進めるコツは、
交渉している者同士の「共通の利害」を見つけ、
そこにお互いの意識が向かうよう促すこと。


交渉においては、
「これだけの時間をかけて交渉してきたから」や
「遠路はるばるここまで来たのだから」
などのサンクコストが影響し、
合理的な判断を邪魔しがちです。


基本的には「得しますよ!」よりも「損しませんよ!」
の選択肢のほうが交渉を優位にしてくれるのです。


実際に自分が相手のことを急速に
好きになってしまったときには
一歩引いて考えることが大切です。


役立つ方法が「ターゲット明示法」。
これは私が予備校講師時代に開発した手法で、
聞き手一人ひとりにかかわるキーワードを
発言の中にちりばめる方法です。


実際に自己開示を行うときは、
簡潔に話すように心がけます。


信憑性の低い人でも、
自分の意見や首長を何度もかたくなにくり返し、
一貫した態度をとり続けることで、
多数派の意見を切り崩すことができる


実は、この2つの案の両方の目的を達成できる
別の案がありまして、その案というのが○○です。


専門家集団であったとしても団結力の集団であった場合に、
意見の一致を重視するあまり、
実行不可能で非現実的な決定を下してしまうことがある


相手の発言の根拠部分だけを狙い撃ちして否定する


嫌ってきたり、敵視したりしてきている相手に
あえてお願いごとをする


耳の痛い話から入ると、相手は恐怖を感じ、
聞く耳を持たなくなる


立場の強い人から嫌われていると思ってしまえばしまうほど、
相手に嫌われてしまうような言動をしてしまう可能性が高くなる


立場の強い相手の言動から「嫌われているかも」
と感じていたとしても、
そのことは自分の勘違いだと思い込み、
できるだけフラットに接することです。


カウンセリングで用いられる方法論の1つに、
「パーソンセンタード・アプローチ」と呼ばれるものがあります。
このポイントは、相手が自分自身では言語化できていなかった
内面のことに、あなたの傾聴や質問により自ら気づかせること。


自分とは反対の意見が相手から出てきた場合は、
「あなたと同じような考え方を持った人が他にもいました」
のように「ほかの誰かと一緒ですよ」
という情報を相手に伝えます。


相手が断っていないにもかかわらず、
どんどん譲歩して要求を小さくしていくことで、
自分の要求を通しやすくする


あなたが決断したことに対して、相手がやたらとほめてきたり、
正当化を促す理由となるような発言をまくし立ててきたりしたら、
注意が必要です。
購入後、口数が多くなるのは、
自己正当化を促している可能性が高いからです。






engineer_takafumi at 09:41│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ 勉強・教育・心理

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