2022年06月05日
絵と言葉の一研究 「わかりやすい」デザインを考える
本日は寄藤 文平 氏の
絵と言葉の一研究 「わかりやすい」デザインを考える
です。


本書の著者は広告のアートディレクションと
ブックデザインを中心に、
アートディレクター、イラストレーターとして
活躍されています。
一般的には文字は「わかりにくく」
絵やイラストは「わかりやすい」ものと
されている傾向があります。
例えば、「サルでもわかる○○」という本だと、
文字ではなく、写真やイラストが多用されている
イメージがあると思います。
このように「わかりやすく」するための
絵をテーマに著者が語ります。
この本も著者の「絵」が多く盛り込まれ
わかりやすく面白そうに見えます。
しかし、その絵を描くまでの苦悩が
文字でしっかり表現されており、
「わかりやすく」を求めることも
一筋縄ではいかない、と知るのです。
そんな難しさが言葉で表現されていて、
興味深い一冊でした。
個人的には
絵を使って「わかった」状態には
ならないけれど、
その「わかった」状態の面白さを
伝えることができる
という部分が印象的でした。
「絵=わかりやすい」という考えが
そもそも怪しいのですね。
図とかイラストなどを作る方には
お勧めしたい一冊です。
「わかりやすく」伝えることの本質を、
考えるきっかけになるでしょう。
絵と言葉の一研究 「わかりやすい」デザインを考える
です。
本書の著者は広告のアートディレクションと
ブックデザインを中心に、
アートディレクター、イラストレーターとして
活躍されています。
一般的には文字は「わかりにくく」
絵やイラストは「わかりやすい」ものと
されている傾向があります。
例えば、「サルでもわかる○○」という本だと、
文字ではなく、写真やイラストが多用されている
イメージがあると思います。
このように「わかりやすく」するための
絵をテーマに著者が語ります。
この本も著者の「絵」が多く盛り込まれ
わかりやすく面白そうに見えます。
しかし、その絵を描くまでの苦悩が
文字でしっかり表現されており、
「わかりやすく」を求めることも
一筋縄ではいかない、と知るのです。
そんな難しさが言葉で表現されていて、
興味深い一冊でした。
個人的には
絵を使って「わかった」状態には
ならないけれど、
その「わかった」状態の面白さを
伝えることができる
という部分が印象的でした。
「絵=わかりやすい」という考えが
そもそも怪しいのですね。
図とかイラストなどを作る方には
お勧めしたい一冊です。
「わかりやすく」伝えることの本質を、
考えるきっかけになるでしょう。
絵で伝えられないことで、
言葉なら伝えられることもたくさんあるし、
ひとつの言葉が100の絵に勝ることなんていくらでもある。
(中略)
誰もがこういう語り方をしているためか
多くの人が、知らず知らずのうちに
「絵と言葉は対立している」
と考えているような気がする。
サッカー選手がチームメイトを見ないでパスを出すように、
コミュニケーションの完成形は
コミュニケーションの必要がなくなることだ。
人間はイリュージョンなしには生きられない。
人間は論理が通ってしまうと、見たことがなくても、
ありもしないものでも現実だと思い込んでしまう
動物なのだという。
どのようなイリュージョンを作るのかを考えるより、
人間がそういう動物であるということを
面白がってはどうか
「絵で物事はわかりやすくならない」
絵の仕事をすればするほど、それは確信になっていった。
でも、「絵を使ってわかりやすく伝えたい」
という依頼は途切れることがない。
これまで、「面白い」とか「楽しい」ということは、
「わかる」ことと切り離されてきたように思う。
ちょっと眉間にシワを寄せて、低く唸る。
それが「わかる」ことだとされてきた。
でも、誰かに叩かれて「ギャフン」と
言う人がいないのと同じように、
苦しい顔をした「わかる」人を見たことがない。
自分の経験に照らして考えても、
「わかる」というのはもっと明るいことだ。
楽しくて面白い。
絵を使って「わかった」状態にはならないけれど、
その「わかった」状態の面白さを伝えることができる。
「わからなくても、わかりやすければいい」
そこにあるのは「わかりやすさ」ではなくて、
モノクロコピーのように単純化された
水平線でないかと思うけれど、
そういう情報のほうが流通しやすい。