2021年04月11日

文章の問題地図

本日は上阪 徹 氏の
文章の問題地図
です。


本書の著者は本を書くライター
ブックライターとして活躍しています。

取材人数は3000人以上、
携わった書籍の累計部数は200万部を超えます。

そんな一流のライターが本書では、
普通のビジネスパーソン向けに
文章の書き方を語ります。

本書で一貫して著者が主張するのが
素材、目的、読者です。

どう書くか以前に、何を書くか
つまり素材が大事です。
素材なしに良い文章はあり得ません。

そして、書く文章の目的です。
実用の文書では目的を満たしていないと、
価値はありません。

最後に、読者です。
読者を想定して、素材や文章を書くことが
文章の目的を達成する一番の近道なのです。


本書はその3つを核として、
ビジネスパーソンが文章を書くときに
感じやすい問題を解決します。

文章が読みやすいのはもちろんですが、
イラストが効果的に使われていて、
「わかりやすい」一冊でした。


個人的には、
形容詞を使ってはいけないことを、
例をあげながら説明している箇所が
特に印象に残りました。

「形容詞は使うな」は、
よく言われることですが、
本書で本当に納得できました。


文章に苦手意識が強いけど、
書かなくてはいけない、
という方におすすめの一冊です。
どうやって書けば楽に速く書けるのか、
ヒントを得ることができるでしょう。




どのみち、推敲はしなければいけないのです。
むしろ、推敲のほうが大事だったりする。
だから、後で調整するつもりで「粗々で書く」ことです。


構成を考えるとき、私がよくやるのは、
「もしカフェで目の前に読者が座っているとして、しゃべって伝えるとすれば、どういう構成になるか」
を考えることです。


意識したいのが、読み手の4つの反応です。
「おっ」(意外なこと)
「えっ」(びっくりすること)
「そうなんだ」(強く共感すること)
「なるほど」(新しい発見)


家族とご飯を食べているとき、友達と飲んでいるとき、
会社の同僚と会議をしているとき、
何かの言葉がトリガーになって
「素材」が出てくる可能性がある。
それをすかさずメモすることです。忘れてしまうからです。


1つの文章が長いと、主語と述語が遠くなったりして、
文章が理解しにくく、読みづらくなります。


「、」を打つ位置の正しい答えなどというものはない、
ということです。
あるとすれば、「、」があったほうが、
「読み手」にとって読みやすいか。
ただ、それだけです。


大事なことは、相手にきちんと伝わることです。
箇条書きのほうが伝わると思うなら、
堂々と箇条書きを使ったほうがいい。


せっかく相手に伝えようと言葉を探して表現しているのに、
ちっとも伝わらない。
その原因を作っているものこそ、
「大きい」「美しい」「すごい」という形容詞なのです。


意識していただきたいのは、
どうすれば「読み手」が自分が見ている
「大きさ」「美しさ」「すごさ」を追体験できるのか、
ということです。


大事なことは、細かなところまで
「素材」を意識していくことなのです。


形容詞を使わずに「読み手」に伝えるには、
どうすればいいか。
答えは簡単、「素材」=事実、数字、エピソードを
使えばいいのです。


たった1行、
ここでしか言えないことを入れるだけで、
印象がガラリと変わった





engineer_takafumi at 17:26│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ 書き方・話し方・言語

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