2023年04月01日

AI時代に差がつく 仕事に役立つ数学

本日は鈴木 伸介 氏の
AI時代に差がつく 仕事に役立つ数学
です。


本書の著者は、医学部受験に特化した
数学マンツーマン指導の事業を中心に、
企業を対象にした数学リテラシー向上研修や
データ分析のコンサルティングを行っています。

また、一般向けに数学的な思考を伸ばす
セミナーを開催していたりして、
数学の価値を幅広い人に伝える仕事をしています。


そんな著者が本書で説くのは、
「仕事に役立つ数学」です。

「割合」にはじまり「相関」「標準偏差」……と、
統計を中心にビジネスに役立つ
数学の例を示してくれます。

ほとんど数式が使われていないので、
普通の本のように読み進められます。

それでいて、基本的な数学用語の概念と
それがどのように実社会で使われているか
学ぶことができるのです。


個人的には、
エクセルによる実践が多く入っていたことが
印象に残りました。

学校の数学が、問題集と紙の上で
行われるものだとすれば、
「仕事に役立つ数学」はエクセルの中で
動いているものなのかもしれません。

電卓だけでなく、本書に示したような形で
エクセルが使えることが、
実践的な数学力を有することなのでしょう。


数学に苦手意識をもつビジネスパーソンに
お勧めの一冊だと思います。
数学がどんな形で世の中で役立っているか、
理解することができるでしょう。




成長は「引き算」と「割り算」で見る。


B to BでITサービスを販売しているような企業で、
取引先の会社規模(資本金・従業員数)と
取引金額に相関はあるか?
取引先の業種によって、相関の強さは違うか、同じか、
またどの業種同士が傾向が似ているか?(相関係数を計算し比較)


「相関関係」とは、片方の数値が大きくなった場合に、
もう片方の数値も大きくなる(または小さくなる)
ような関係のことでした。
一方の「因果関係」とは、
片方の数値が大きくなったことを「原因」として、
その「結果」もう片方の数値も大きくなる(または小さくなる)
ような関係のことをいいます。


財布から1万円札と千円札を取り出して重ねると、
1万円札の方が千円札よりも少し大きいですね。
その横の長さの差がちょうど1センチです。


「平均」と聞くと「きっとみんなその辺にいるのだろう」
と無意識で思ってしまいがちですが、
そうでないケースもたくさんあるということです。


散布図を描いて明らかな外れ値を見つけたら、
そこに大きなヒント(あるいはリスク)があると思って、
その原因を探るようにしていきましょう。


「二項」というのは、
「成功か失敗か」という2つの結果のどちらかになる状況、
ということを意味しています。
そして「分布」というのは、成功回数が0回から15回までの
それぞれの確率の散らばりの様子、という意味です。


「95%信頼区間」とは、
「アンケートを100回取った場合、そのうち95回は全体の平均値が409分から415分の間に入るが、残りの5回は外れることがある、それぐらいの信頼度」
という意味です。





engineer_takafumi at 21:39│Comments(0) ★理系本の書評 |  ⇒ 数学

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