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2023年10月27日

イーロン・マスク

本日はウォルター・アイザックソンの
イーロン・マスク
です。



本書はあのスティーブ・ジョブズの公式の伝記を書いた、
ウォルター・アイザックソンによるマスクの伝記です。

上下巻合わせると1000ページ近いボリュームで、
彼の行動や考えが、詳細に説明されています。

下巻の最後にこの本を書くにあたって、
インタビューしたリストがあるのですが、
それだけで10ページほどのボリュームに
なっているのがすごいです。

ウォルター・アイザックソンがマスクを書くから
これだけのことが可能になったのですね。
まさに、スケールが違う、自伝です。


これを読んでいると、結果を出す人は
こういう動きをするということが
良くわかります。

ただ、私自身はマスクと一緒に
働けるとも、働きたいとも思いませんね……。

ただ、未来はこういう人によって作られる。
ということは理解しておいた方が良いと思います。

ジョブズの自伝でも
「現実歪曲フィールド」という言葉が出てきますが
マスクも同様です。
そんな思いによって、革新的な未来が実現されるのです。


個人的には、
「要件を疑え」という部分が一番印象的でした。

世の中には、ルールとか慣習がたくさんあります。
意味のなさそうなものもたくさんあるのですが、
特に日本人はそれらに盲目的に従ってしまいがちです。

しかし、そこを破ることに、
新しい世界が開けているのですね。


成果を出したい経営者、
特にスタートアップ経営者にお勧めです。
成果を出すとはどのようなことか
理解することができるでしょう。


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engineer_takafumi at 16:47|PermalinkComments(0)

2023年04月12日

居場所。

本日は大 洋 氏の
居場所。
です。


本書はダウンタウンのマネージャーを
していたことで有名な吉本興業の会長である、
大崎さんによる著書です。


本書のテーマは「居場所」です。

あの吉本興行のトップになるほどの方なので、
普通の人のはずはありません。

自らが育てたダウンタウンを始め、
超個性的な芸人たちと日々生活を
共にしていたわけです。

その中で、生き延びてきた著者が
自身の経験を振り返りながら、
「居場所」を作るための方法を
12個にまとめています。

・置かれた場所で咲こうとしない
・孤独を見つめすぎない
・競争しようとしない
・限界までがんばろうとしない
・白黒はっきりさせようとしない
・友だちをつくろうとしない
・相談しようとしない
・目的地を決めようとしない
・合理的にしすぎない
・みんなにわかってもらおうとしない
・ルールを決めすぎない
・居場所を場所に求めない

見てみるとわかる通り、
ほぼ脱力系のテーマになります。

しかし、これが競争の象徴とも呼べる
芸人の世界を治めるトップの発言だからこそ
響くものがあるのです。


個人的には、
「一人で抱えず、誰かに頼れ」と。
でも、それって、本当に、難易度が高い。
という部分が特に印象的でした。

そうです。
人に頼るって、ある種の人には、
本当に難しいことなのです。

それを明確に言語化してくれていて、
悩みが昇華していくような感覚がありました。


中高年の男性サラリーマンに
特におすすめしたい一冊です。
いつも張りつめている肩の荷を
少しでも和らげてくれると思います。


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engineer_takafumi at 18:11|PermalinkComments(0)

2023年03月30日

国破れて著作権法あり 誰がWinnyと日本の未来を葬ったのか

本日は城所 岩生 氏の
国破れて著作権法あり 誰がWinnyと日本の未来を葬ったのか
です。


本書の著者は米国弁護士として
著作権法に精通した国際IT弁護士として
活躍しています。

そんな著者が本書で
金子勇氏のWinnyと著作権法について説きます。

著者が米国の事情に精通しているので、
米国と日本を比較しながら問題の本質が
浮彫りになってきます。

また、専門家の方ですので、
文献引用や発言内容が信頼できます。

様々な事例も多いので、
Winny問題だけではなく、
著作権の仕組みや狙いが
スムーズに理解することができました。


個人的には
米国のフェアユースの考え方を
知れたことが収穫でした。

米国というと、著作権保護が
非常に厳しいというイメージがありますが、
全体を利するものであれば、
著作物の利用が認められるのですね。

日本の方が社会主義だと思っていましたが、
この視点では米国の方が全体優先に
考えられていることが意外でした。


日本の産業競争力を高めよう
と考えている人にお勧めの一冊です。
日本が競争力を失ったのは
こんな背景もあったのです。


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engineer_takafumi at 21:31|PermalinkComments(1)

2023年03月03日

開運ハウス 家がパワースポットになる住まいの整え方

本日は八納 啓創 氏の
開運ハウス 家がパワースポットになる住まいの整え方
です。


本書の著者は一級建築士としては珍しく
風水や家相を取り入れた家づくりを
実践されて、幅広く支持を得ています。

さらにYouTubeで
『幸運すまいチャンネル』を開設し
チャネル登録者は20万人以上になります。


そんな著者が本書で語るのは
「住む人が幸せになる家」です。

著者は色々な家や、
そこに住む人を見てきました。
家を「パワースポット」にすると、
どんどん運気が高まり、人生が豊かになるのです。

そのためのステップを本書で詳しく語ります。

家を整えるステップを説いたのちに、
最後が「自分がパワースポットになる」
というところで締められているのが、
やっぱり人を住まいは繋がっているのだ
と考えさせられました。


個人的には、
家賃を払うくらいだったら
住宅ローンのほうがマシ
で家を買うと、
家がローンのストレスの場所になる
という部分が印象的でした。

やはり家は自分が豊かに過ごすための
場所であってほしいですね。


住宅の購入や引っ越しを考えている方に
おすすめの一冊です。
今の住まいを整えて、次の家で豊かになる
きっかけをつかめるでしょう。

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engineer_takafumi at 14:36|PermalinkComments(0)

2023年01月14日

5年で年収1億円を達成した社労士が助成金で顧客をどんどん増やす方法を教えます

本日は伊藤 泰人 氏の
5年で年収1億円を達成した社労士が
助成金で顧客をどんどん増やす方法を教えます
です。


本書は社労士として独立後
助成金ビジネスを切り口に業務を拡大
5年で年収1億円を達成した著者による
助成金ビジネスのノウハウを集めた1冊です。

法令知識や助成金の内容だけでなく、
営業方法から心構えといった
基礎的な部分までサポートされています。

ノウハウは書きやすいでしょうが、
いくら方法を学んでも、
基礎がダメなら成果は出ませんから、
この内容も必須だと思います。

実際の助成金を挙げて、
どのようにビジネスを展開すれば良いか
書かれているので、
社労士の方にとってみれば、
非常に心強い一冊でしょう。

また、細目に改定されているようで、
比較的最近の助成金についても
フォローされているようでした。


個人的には、
自分の立ち位置を顧客より上に持ってくる、
なぜならば、法令順守の問題があるから
という部分が印象的でした。

士業になると、顧客よりも大事なものが
あるものなのですね。


社労士の方はもちろんですが、
士業の方、全てにお勧めの一冊です。
営業の仕方や社長との接し方で
学ぶことが多いと思います。


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engineer_takafumi at 19:43|PermalinkComments(0)

2022年10月16日

香りが脳を支配する

本日は森江 帆乃香 氏の
香りが脳を支配する
です。


本書の著者は、アロマに出会い
香りと脳の深い関係を知り感銘を受けます。

その後、脳科学、生理学、心理学の検知で
アロマの研究と実践を重ね、
独自メソッド『潜在意識アロマ』を開発します。

今では人気セラピストとして活躍しながら、
「夢を叶えるアロマの使い方」など
香りやアロマに関する講座も行っています。

そんな著者が本書で語るのは、
香りを使って願いを引き寄せる方法です。

たとえば、願いを叶えるために
「目標を紙に書いて張っておく」
ということが言われます。

これは目標と視覚を関連づけて
目標を達成しやすくする方法です。


この本で紹介される
香りを使ったアフォメーションは
嗅覚と目標を結び付ける方法です。

嗅覚は脳の本能的な部分と関係が強く、
潜在意識への影響力が大きいので、
願いを叶える効果が高いのです。

具体的にどんな香りがどんな願いに効くか
まで書かれており、
香りで願いを叶える時に
とても使える一冊となると思います。


個人的には、
嗅覚は理性である大脳新皮質(新しい脳)の
判断や解釈が出る前に、
本能からみて良いか悪いかをキャッチできる
という箇所が特に印象に残りました。

香りと結び付ければ記憶も強化されやすい
という話もありますが、
そのようなメカニズムがあったのですね。


アロマが好きな人は
ぜひ読んでもらいたい一冊です。
好きなアロマで人生を好転させる方法を
学ぶことができるでしょう。


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engineer_takafumi at 17:16|PermalinkComments(0)

2022年05月08日

オンラインシフトの教科書

本日は木村 博史 氏の
オンラインシフトの教科書
です。


本書の著者は金融やビジネスに精通した
クリエイティブディレクターとして、
金融機関や大手企業を中心に、
映像の社内インフラ構築や動画プロデュースを
行っています。

そんな映像や動画配信の専門家が
本書ではビジネスのオンラインシフトに
ついて説きます。

Webツールの選び方や
カメラやマイクなどの道具のそろえ方、
オンラインミーティングの作法に始まり、
教育機関、営業、結婚式、ライブハウス、工務店など
様々な業種のオンライン以降例について説明します。

オンライン化について網羅されているので、
読みやすい中で、一通りの知識をえられるでしょう。


個人的には、
カメラの位置や背景についての
技術的な解説が役に立ちました。


業務のオンライン化を考えている人なら、
一読をお勧めできる内容です。
オンライン化のポイントを
一冊で得られることでしょう。

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engineer_takafumi at 09:09|PermalinkComments(0)

2022年02月26日

出版は企画が9割

本日は山田 稔 氏の
書籍編集者が教える 出版は企画が9割
です。


本書は書籍編集者として働きながら、
出版コンサルタントとしても活動している
著者による一冊です。


ビジネスを加速させるために、
出版を考える人は多いでしょう。

しかし、書籍出版の世界は外の人から見ると、
仕組みが良くわからない部分もあるでしょう。

本書では企画の作り方から、
それをどうやって出版社へ持ち込むか。
そして原稿の書き方からプロモーションまで
一連の流れが書かれています。


私は電子書籍出版のお手伝いをしているので、
「商業出版を目指すなら電子書籍に手を出さない」
という部分は同意できませんでしたが、
全体的にはわかりやすく出版の仕組みを説く
良書だと思いました。


紙の書籍の出版を目指す人は
初期に読んで欲しい一冊です。
商業出版の全体像を
つかむことができるでしょう。



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engineer_takafumi at 11:31|PermalinkComments(0)

2021年11月21日

全盲ハッピーマン

本日は大平啓朗 氏の
全盲ハッピーマン
です。


本書の著者は
24歳でアクシデントにて失明してしまいます。

しかしその後、約1年かけて47都道府県を
ひとりで旅するなど活動を活発化させます。

現在はカメラマンとして撮影をメインに
作曲や執筆活動をしながら、
イベントプロデューサー、メンタルコーチ
として活動されています。


本書は視力を失ったところから、
その後の葛藤、カメラマンとしての仕事、
47都道府県の一人旅、海外旅行など、
著者の活動をまとめたものです。

全盲カメラマン、という
インパクトのある言葉ですが、
本書にも写真がたくさんあります。

また、カラフルに彩られていて、
彼の世界を象徴しているようです。

失明=素敵な出会いで、
僕の人生はカラフルに色づいた。

という彼の言葉が体現されていて、
勇気を与えてくれる一冊です。


個人的には
困っているのは障害者じゃなくて、
実はどう接していいかわからない健常者
というところが印象的でした。

障がい者の方は健常者が思うより、
いろいろなことができます。
それを計るのが難しいのですね。



現在、困難に直面している方に
おすすめの一冊です。
視力を失うという困難に直面しながら、
明るく生きる著者に勇気をもらえるでしょう。

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engineer_takafumi at 10:10|PermalinkComments(0)

2021年04月30日

モラニゲ

本日は榎本まみ 氏の
モラニゲ
です。



本書は「モラル・ハラスメント」
略してモラハラについての話と
そこから逃げる女性の物語を
マンガにしてまとめた一冊です。

壮絶な体験に驚きますが、
ここに登場された方は、
現在は幸せに暮らしていることに
救いを感じます。


また、弁護士や臨床心理士、
女性センターの相談員など
専門家の意見も書かれており、
苦しんでいる方の参考になるでしょう。


実際にモラハラに苦しんでいる方は
正常な判断能力を失っている
場合が多いと言います。

ですから、周りのサポートが
重要となるわけです。

気づいてあげることが、
その人を救うことになるかも
しれません。



また、本書の中では、基本的に
女性が被害者、男性が加害者という
構図になっています。

逆の事例もあるので、
それは不公平ではないか、
という意見もあるそうです。

しかし、実際に苦しんでいる人の
多くは女性であり、
その女性を救うという意味で、
本書は出版されるべき本だと思います。



個人的には
モラハラになる夫は
標的となる女性をしっかり選んでいる
という話が特に印象的でした。


周りにモラハラを受けていると思われる
人がいれば渡して欲しい一冊です。
その人を救ってくれる本と
なるかもしれません。


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engineer_takafumi at 03:44|PermalinkComments(0)

2020年12月25日

ブッダの獅子吼 原始仏典・法華経の仏教入門

本日は北川 達也氏の
ブッダの獅子吼 原始仏典・法華経の仏教入門
です。


本書は國學院大學の神道文化学部を卒業し、
神職養成機関で取得できる
最高階位「明階」を授与されたのちに、
ソフトウェア会社の経営を行っている
という異色の著者による一冊です。

経歴が異色ですが、
本書のテーマは原始仏典ということで、
ブッダの教えを説きます。

著者は仏教思想研究家の方と親交があり、
講義を受けたり、専門書籍を読んで、
仏教の学識も深められたとのことです。


原始仏教が、今の日本での仏教と
けっこう違っているということが知れて、
興味深かったです。

しかしながら、違うものも受け入れられる
仏教の懐の深さも良くわかりました。

それどころか、仏教を学ぶと、
ヒンズー教のような多神教の宗教、
キリスト教やイスラム教などの
一神教の世界観までも取り入れられる
というところに驚きました。


個人的には、原始仏教には
先祖を供養すると、家運はよくなり、先祖が救われる
という教えはない、
という箇所が特に印象に残りました。

今の仏教は先祖の供養を
大切にしているように思えますが、
最初はそうでなかったのです。

派生を否定しない宗教が
仏教の教えなのですね。


仏教はもちろん、宗教に興味がある人に
おすすめの一冊です。
原始仏教にふれることにより、
教義への知見を広げることができるでしょう。



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engineer_takafumi at 00:42|PermalinkComments(0)

2020年12月19日

書くだけで心、もの、お金が整う 私のノート、手帳術

本日は 主婦の友社の
書くだけで心、もの、お金が整う 私のノート、手帳術
です。


本書は節約アドバイザーやコミックエッセイリスト、
ブロガー、メンタルコーチ、起業家、YouTuberなど、
色々な職業の方のノート、手帳を集めた一冊です。

写真がいっぱいでカラフルなので、
見るだけで明るい気持ちになってきます。

またそれぞれの方がノートを使って
どのように人生が飛躍したかが書かれていて
「書くこと」の力を感じさせられます。

ノートの力というものを
認識できる一冊でしょう。


個人的には、
書くことのマインドフルネス
という考え方が特に心に残りました。

習字や写経などは、
確かにその効果があります。

今度はマインドフルネスを意識して
何かを書いてみようと思いました。


何か新しいことを始めたい
女性にお勧めの一冊です。
共感できる人を探して、真似してみても
楽しいと思います。


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engineer_takafumi at 21:59|PermalinkComments(0)

2020年09月23日

神様は、ぜったい守ってくれる

本日は藤原 美津子 氏の
神様は、ぜったい守ってくれる
です。


本書の著者は、
大手鉄鋼会社に10年ほど勤務した後、
神道哲学者の藤原大士と出会い師事。

後に、大士氏と結婚し、
人と接するよりも神様と接する方が
はるかに長い時間を過ごす生活をします。

現在は神道研究家として活動されており
全国の著名な神主さんとの交流も深いです。


そんな著者が本書で教えてくれることは、
「神様との接し方」です。

日本人として生まれていても、
意外に神様との接し方を知りません。

接し方を知らないから、離れていく、
という方が正しいかもしれません。

そこで、本書で著者が神様に接する
基本的な作法やその意味について
丁寧に説明してくれます。


この本を読んでみると、
神社で神様にお参りしてみたくなります。

科学万能の時代とはいえ、人は
精神的なよりどころを求めています。

自分を越えた存在を信じることで、
人の心は豊かになるものなのでしょう。

軽く読めてしまう中に、
学びも多い一冊でした。


個人的には、
厄年は「役目」をもらう年でもある
という部分が特に印象的でした。

確かに私もその年には、
自分が変わるきっかけを
与えてもらった気がしています。


初詣やお宮参りなど、イベントごとで、
神社にお参りに行く前に読んで欲しい一冊です。
より厳粛な気持ちで神様の前に立てて、
人生の運気を呼びこんでくれることでしょう。


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engineer_takafumi at 15:21|PermalinkComments(0)

2020年04月04日

一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書

本日は山 圭一 氏の
一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書
です。


本書は公立高校の教師で
Youtuberとして授業の動画を配信、
それが累計再生回数が1000万回突破、
チャネル登録者数も4万5千人を超えたという
カリスマ講師による一冊です。


一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書
に続く本となります。
日本史は世界史ほどに時代がこじれないので、
世界史よりはインパクトが弱いものの、
年号を書かない、政治史を数珠つなぎにした
というわかりやすさを感じます。

中学以来だった日本の歴史を復習することができ、
知識を深めることができました。

また、明治から昭和にかけての近代史の項目も
しっかり書かれているので、
学生時代には不十分であった近代史の知識を
補充することもできました。


個人的には
日清戦争→日露戦争→太平洋戦争に
至った流れが特に勉強になりました

為政者だけでなく民衆の心理も描写されており、
理解に深みを加えることができました。


学生はもちろん、
日本史を復習したい社会人にお勧めの一冊です。
効率的に日本の歴史を復習できるでしょう。

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engineer_takafumi at 08:11|PermalinkComments(0)

2020年03月05日

つけびの村  噂が5人を殺したのか?

本日は 高橋 ユキ 氏の
つけびの村  噂が5人を殺したのか?
です。


本書はフリーライターとして、
殺人等の刑事事件を中心に裁判傍聴記録を
雑誌、書籍等に発表している
著者によるノンフィクションです。


2013年7月に山口県の限界集落で起こった
5人の殺人、2件の放火事件。
犯人は間もなく逮捕されますが、
妄想の傾向が見られ、
事件の真相はよくわからないまま
裁判で死刑判決が出されます。


この犯人は幼少時代をこの集落で過ごし、
その後、首都圏で働きます。
そして、40歳を超えてから、
集落にUターンしてきています。

ですから、ネット上では、
犯人が村八分にされたという噂が出回ります。

また、犯人の家に犯行を示唆するような
張り紙がしてあることから、
それも人々の興味を引きました。


著者は現地で取材を重ね、
そんな事件の真相に迫ります。

田舎の集落ならではの空気が
文章から伝わってくる本でした。


また、本書は原稿を書いたものの、
当初は出版社に認められませんでした。

そこで、著者が「note」に記事を投稿して、
そこから火がつき、出版に至りました。

そのいきさつについても書かれており、
興味深く感じました。


個人的には、
「ことの真相」というところが
印象的でした。

小説だったらこうはなりませんが、
ノンフィクションだとこんなことが
あり得るのですね。


田舎の特異さに興味がある方には
おすすめの一冊です。
田舎の不気味な空気を
味わうことができるでしょう。


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engineer_takafumi at 00:38|PermalinkComments(0)