⇒ 生物・化学

2021年09月06日

生物はなぜ死ぬのか

本日は小林武彦 氏の
生物はなぜ死ぬのか
です。


本書の著者は東京大学の
定量生命科学研究所にてゲノムの再生を
研究している研究者です。

そんな著者が学者から見た
死生観を解きます。

結論として「死」は生物が命を次世代に
繋ぐために絶対に必要なもので、
遺伝子にプログラムされているのです。

人間から見ると「死」は
忌み嫌うものであります。

しかし、生物としての観点から見ると、
多様性を確保し、優れた個体を残すための
仕組みと考えられるのです。

死は人間にとって常に重大なテーマでした。

宗教、倫理、様々な分野で
このテーマを研究してきました。

その中で純粋に生命科学としてみた時の
死生観を加えることは、
より人生を有意義にするための
要素だと感じます。

それにしても、生命の巧妙さに
あらためて関心させられると共に、
こんな複雑なものが「偶然」生まれたことは
まさに奇跡としか言いようがないことを
再確認することができました。


個人的には、
小型のマウスはほとんど
捕食されて死んでしまうので、
人のように病気や老衰に備える必要がない
という部分が特に印象的でした。

薬品の動物実験として
マウスが使われていますが、
人との生態の違いを考えると
あまり適切ではないのかもしれません。


「死」について考え直したい方に
お勧めの一冊です。
宗教や道徳と違った死生観を知ることが
できるでしょう。



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engineer_takafumi at 01:00|PermalinkComments(0)

2020年01月11日

日本の品種はすごい

本日は竹下 大学氏の
日本の品種はすごい
です。


本書は大学の園芸学部を卒業後、
キリンビールに入社し、
鑑賞用の花のブリーダーとして、
長年活動してきた著者による一冊です。

ブリーダーとは育種家とも呼ばれ、
色々な植物を掛け合わせて、
新しい品種を創り出す、
植物のプロフェッショナルです。

そんな著者が本書で語るのは、
ジャガイモ、ナシ、リンゴ、ダイズ、
カブ、ダイコン、ワサビといった、
日本人にとってなじみ深い食べ物の
品種の歴史です。


品種の物語は、
生産地の競争や農業、経済の歴史です。

品種という観点で、世の中の歴史を知る、
という意味で、知的好奇心を満たしてくれる
良い一冊だったと思います。


個人的には、
ナシが自家不和合性を持っている
という部分が特に印象的でした。

つまり、同じ品種間では授粉できない
ということなのですが、
私はそんな植物が存在することを
知らなかったので、驚きでした。


レストランを経営されていたり、
野菜の小売りをされている方にお勧めの一冊です。
商品知識を拡充して、お客様に「さすが」と
思わせられる知識を学べることでしょう。

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engineer_takafumi at 20:32|PermalinkComments(0)

2017年12月26日

デザイナー・ベビー

本日はPaul Knoepfler氏の
デザイナー・ベビー
です。
デザイナー・ベビー ゲノム編集によって迫られる選択

「遺伝子組換え」(ゲノム編集)というと大勢の人が
危険なにおいを感じることでしょう。

しかし、実際のところ、遺伝子組買えの農作物などは
それほど危険なものではありません。

というのも、品種改良という形で、
似たようなことを昔からやってきたからです。


しかし、人間にそれを適用するとなると、
問題は非常に複雑になります。

例えば、実験に失敗はつきものです。
初のクローン羊であるドリーが生まれたとき、
それ以前に実験は400回以上失敗していました。

動物なら、それでも良いでしょう。
しかし、人間になるとその400個以上の命はどう考えるのだ、
ということになります。

また、遺伝子組換えを行う赤ちゃんをつくり出すとき、
親などがその判断をするのでしょうが、
当事者の赤ちゃん自身の同意は得られないのです。

ゲノム組換えは、何となく怖いと思っていましたが、
その本質を学ぶことができる一冊でした。
簡単な問題ではありませんが、ただ嫌がるのではなく、
正しく恐れなくてはいけません。


個人的には
ヒトは他の生物の遺伝子を組換えることができる
唯一の生物ではない、
という部分が印象に残りました。


生物学を志す人には一読して欲しい一冊です。
自分の学ぶ学問の社会への影響力を知り、
いい意味での緊張感を持たせてくれるでしょう。


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engineer_takafumi at 22:49|PermalinkComments(0)

2017年12月23日

ゲノムが語る生命像

本日は本庶 佑 氏の
ゲノムが語る生命像
です。
ゲノムが語る生命像 (ブルーバックス)

本書はブルーバックスのベストセラーで
1986年に出版、その後24刷まで版を重ねたという
『遺伝子が語る生命像』の著者が、
「遺伝子」を「ゲノム」に変更し、
その間の生命科学の発展を盛り込んだものです。

生物が専門でない私にとっては、
若干難しい部分もありました。
しかし、全体が52節に分割されており、
ある程度の独立性があるので、読みやすいです。

生物の専門知識の勉強になるだけでなく、
ある事柄の生命科学全体における意味や、
著者の生命に対する哲学なども書かれており、
全体を俯瞰しながら、読むことができました。


個人的には、
人間のゲノムには非常に無駄が多い(冗長的)だが、
それが人間を繁栄へと導いたのではないか、
という部分が非常に印象的でした。


高校の生物程度の素養のある方が、
生命科学の進展を勉強したい時にお勧めです。
思想から、少し専門的なことまで、
1冊で幅広く学べることでしょう。


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engineer_takafumi at 18:20|PermalinkComments(2)

2017年12月22日

ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか?

本日は高橋 祥子 氏の
ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか?
です。
ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか? 生命科学のテクノロジーによって生まれうる未来


本書は第一線の研究者(東大博士)であり、
注目の若手起業家でもある高橋祥子氏が
「生命科学で今何が起きているか?」を語る一冊です。


生命科学は猛烈に進化しています。
13年前にはヒト一人のゲノムを解析するのに
3500億円と13年かかっていたののが、
今では10万円と1年で終わるらしいです。

この変化が、研究の方法そのものを変え、
さらに発展を続けています。

今は夢物語と思っていることが、
意外に早く実現できてしまうのではないか、
という期待を感じさせられました。


ただ、問題もあります。
特に生命科学には、いくらテクノロジーが発展しても、
解決できない問題もあるのです。

最後の50ページほどは、テクノロジーの発展と、
心理的、法規的な社会の受け入れ体制について
語っています。

テクノロジーはどんどん発展しますが、
人間はそんなに早く前に進めないものなのですね。

著者も色々たたかれているのでしょう。
しかし、研究者でありながら事業を立ち上げた才能を
ぜひ、この国のために役立ててもらいたいものです。

そのために自分が何ができるか、考えてみます。


個人的には、「遺伝子」と「ゲノム」の違いが
わかったことが収穫でした。
似ているようで、微妙に意味が違うのです。


生命科学を志す高校生に読んでもらいたい一冊です。
急激に発展するテクノロジーの中で、
自分の夢をふくらませることができるでしょう。

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engineer_takafumi at 22:44|PermalinkComments(0)

2014年06月19日

人体に危ない細菌・ウイルス

本日は小林 一寛氏の
人体に危ない細菌・ウイルス
です。
人体に危ない細菌・ウイルス   食中毒・院内感染・感染症の話 (PHPサイエンス・ワールド新書)

当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。


本書は人に危害がある細菌やウイルスを紹介しているものです。

O157やSARSなど食中毒や感染症の話題は、
たびたび世間をにぎわせて、たびたび死者さえ出します。

そのたびに、ワクチン摂取や消毒などが行われますが、
細菌は100万種以上もいること、またワクチンが作られても
それに耐性をもつ新種が発生するなど、
人間との戦いは終わることがなさそうです。

本書では細菌やウイルスなどの微生物についての基礎知識から
食中毒や感染症、またその予防方法までが実例つきで紹介されています。


個人的には強い酸性である胃の中で、
ピロリ菌が生息できる理由についての記述が印象的でした。



病院や衛生関連の職業を目指す学生にお勧めの一冊です。
新書サイズで必要な知識を広く学ぶことができるでしょう。


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engineer_takafumi at 22:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2014年02月20日

人体特許

本日は五十嵐享平氏の
人体特許
です。
人体特許: 狙われる遺伝子情報 (PHPサイエンス・ワールド新書 75)

当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。


本書は遺伝子を中心とした、バイオ分野における
特許の現状について書かれたものです。

バイオの分野においては特許をどう適用させるかが難しいです。

例えば、特許は基本的に新規性のある構造を前提としていますが、
遺伝子情報を「発見」した場合、
それは特許として認められるべきなのでしょうか?

そんな、遺伝子における特許の状況が、
歴史も踏まえて、まとめられています。


それにしても、私もエンジニアをしていますが、
特許という制度って、人類にとって良いのかどうかわからなくなります。

確かに、科学技術の水準向上に役立ってきたと言えるでしょうが、
利益の分配が歪んでしまうなど、弊害が目立ってきたような気がします。

この本が指摘するように、この傾向が続くと、
緊急搬送してきた患者に、特許の問題で医師が適切な処置ができない
などという状況も、発生してくるでしょう。


生命科学にまつわる特許の問題を勉強したい人におすすめです。
興味深い話題で、この問題を学ぶことができるでしょう。

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2014年01月18日

有害化学物質の話

本日は井田 徹治氏の
有害化学物質の話
です。
有害化学物質の話 農薬からプラスチックまで (PHPサイエンス・ワールド新書)

当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。


本書は農薬からプラスチックまで、身のまわりの
化学物質について、その毒性や影響について述べたものです。

単に、化学の話だけでなく、その歴史や行政の対応など
化学物質にまつわる様々なことが一通りまとまっています。


膨大なデータが要求される新規の物質よりも、
むしろ過去のゆるい規制で既に世に出回っている
物質の方が危険である、という点が
特に記憶に残りました。


化学物質の害について知りたい人にはお勧めです。
放射線よりも、こちらのほうが身近で
よっぽど恐ろしいものなのかもしれません。


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2013年09月12日

群れは意識をもつ

本日は郡司ぺギオー幸夫氏の
群れは意識をもつ
です。
群れは意識をもつ 個の自由と集団の秩序 (PHPサイエンス・ワールド新書)

当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。


本書は生物の「群れ」に焦点を当てた本です。

それも生物的な観察のアプローチだけでなく、
シミュレーションモデルを構築し
メカニズムを研究するという物理的なアプローチです。

残念ながら、僕には非常に難解であまり理解できませんでしたが、
それでも訴えたいことの雰囲気は伝わってきました。

人間も群集の心理などと言われることもありますが、
個体が集まって群れをつくり、
その群れが個体と違う意思を持つことは
物理的にもリーズナブルなのです。


シミュレーションを研究している大学院生などにお勧めです。
シミュレーションの持つ可能性を再認識できるでしょう。

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2013年07月25日

ドキュメント遺伝子工学

本日は生田 哲氏の
ドキュメント遺伝子工学
です。
ドキュメント遺伝子工学 巨大産業を生んだ天才たちの戦い (PHPサイエンス・ワールド新書)


当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。


糖尿病の治療で重要なインスリンですが、
実は30年ほど前は豚や牛から抽出された
”天然物”を使っていたらしいです。

しかし、それでは増大する糖尿病患者に対応できず、
また、元々ヒトのインスリンでないので、
患者によっては不具合を起こす場合もありました。

そこで、遺伝子工学を駆使して、
ヒトのインスリンを「生産」しようとしたのです。

本書はこの開発の様子を描いたものです。


ただ、普通の科学書と違うのは、
科学そのものよりも、研究の人間模様を
詳細に描いているということです。

研究者の個性、チーム間の競争、当時の世論など、
研究は様々なものに影響を受けます。

科学の研究活動にも人間ドラマがあるのです。

そんな意味で、生物科学がわかっていなくても
楽しめてしまう一冊です。


研究職を志望する高校生などにお勧めです。
研究職というものがどういうものなのか
イメージがつかめると思います。

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engineer_takafumi at 00:42|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年02月16日

空飛ぶ納豆菌

本日は岩坂泰信氏の
空飛ぶ納豆菌
です。
空飛ぶ納豆菌 黄砂に乗る微生物たち (PHPサイエンス・ワールド新書)

当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。


本書のテーマは黄砂と細菌です。

毎年、中国から来た黄砂が降ってくるという話は
ご存知の方も多いでしょう。

ただ、この黄砂はただ砂が飛んでいるだけではありません。
なんと、砂の表面にかなりの微生物を乗せてくるのです。


本書の著者はそんな細菌の移動を調査しています。
北極やチベット、砂漠など世界の各地に行って、
気球などを上げて調査されています。

研究そのものだけではなく、チームの取りまとめや
現地の人とのコミュニケーションなど
気をつかうことが多いようです。


空から細菌が降ってくるというと、
気持ちが悪いと思う人も多いでしょうが、
細菌とうまく共生していくことは大事なことなのです。


生物系の学科に進学を考えている人にはお勧めです。
実際の研究活動を垣間見ることができるでしょう。


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engineer_takafumi at 23:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2012年08月21日

ウナギ大回遊の謎

本日は塚本勝巳氏の
ウナギ大回遊の謎
です。
ウナギ 大回遊の謎 (PHPサイエンス・ワールド新書)

当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。


ウナギというと、身近な魚と思えるのですが、
実はその生態は意外なほどに知られていません。

特に謎だったのは産卵場所についてで、
なんとウナギの卵の採取に成功したのは
21世紀に入ってからなのです。

本書は著者がそのウナギの卵を手に入れるために
悪戦苦闘した様子が描かれています。

最先端の設備はもちろん、
潜水艦まで繰り出しての大捜索です。

そこまでしてやっと、
ウナギの産卵現場をおさえることができたのです。


また、ご存知かもしれませんが、
ウナギは近年急速に数を減らしています。

現在の数は最盛期の10%程度とも言われており、
ウナギを保護が急務になっています。

その保護を進めるためにも、
著者のような研究者がウナギの生態を
より詳しく解明して欲しいと思います。


ウナギの生態は驚きの連続で
生物には疎い私でも興味を持って読めました。

ウナギに限らず、魚に興味がある人には
必読の一冊と思います。



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engineer_takafumi at 23:01|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2012年07月11日

本日は船山信次氏の

です。
毒 (PHPサイエンス・ワールド新書)

当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。


本書のテーマはずばり「毒」ですが、
その化学的な性質な話だけをする本ではありません。

歴史や犯罪の中に毒がどのように登場するか、
といった切り口でクレオパトラと毒ヘビ、
という話題があったりして、
科学抜きにしても楽しめました。

さて、この本を読んで思うことは、
実は毒って、本当に身近なんですね。
身の回りに意外に溢れているものなのです。

また、薬と呼ばれるものは、ほとんどが
一定以上服用すると「毒」として働くわけで、
薬と毒はまさに紙一重なのです。

さらに言えば、そもそもある化学物質が
人間に役にたつのであれば「薬」、
人間に害を与えるのであれば「毒」、
と呼んでいるのに過ぎないのです。


話のネタを探している人にはお勧めです。
「毒」について、一通りの話が網羅されているので、
何か得るところがあることでしょう。


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2012年06月28日

利己的遺伝子から見た人間

本日は小林朋道氏の
利己的遺伝子から見た人間
です。
利己的遺伝子から見た人間 (PHPサイエンス・ワールド新書)

当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。

本書は遺伝子という観点から、
生物の行動や習性を説明しようという本です。

類似の本で、今となっては古典的な名著となる
リチャード・ドーキンスの利己的な遺伝子がありますが、
本書はその後にわかったことという視点で書かれています。

前半は遺伝子の構造などの基礎的な知識、
後半はその遺伝子により生物がどのようにふるまうか
という例が示されています。

また、その例は人間の行動にもおよび
つわり、浮気、子どもの野菜嫌いなど、
人間の行動を遺伝子レベルで解析した章は
面白く読むことができました。


ただ、利己的な遺伝子の後にわかったことといっても
細かい遺伝子レベルの研究は進んだのかもしれませんが、
個体でなく遺伝子を中心として考える理論という観点では、
なにも変わっていません。

今から30年以上前に、これだけ完成した理論を考案した
リチャード・ドーキンスには感服させられます。


文庫で日本人の著者なので、
利己的な遺伝子の訳本よりは読みやすいです。

ですから、利己的な遺伝子を読んでみたけど挫折した人、
読もうと思いながら機会がなかった人には
ぜひお勧めしたい一冊です。

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2012年02月12日

細胞が自分を食べる オートファジーの謎

本日は水島昇氏の
細胞が自分を食べる オートファジーの謎
です。
細胞が自分を食べる オートファジーの謎 (PHPサイエンス・ワールド新書)

当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。


この本のテーマであるオートファジーという現象は、
生物の細胞が自分自身の一部を分解する(食べてしまう)
という驚くべきものです。

ただ、その働きは決して自虐的なものではなく、
生命を維持するために必要不可欠なものなのです。

特に、飢餓に対する対応、細胞内の浄化という観点で
重要な役割を担っているようです。


また、この分野の研究は、まだまだ始まったばかりで、
本書はオートファジーを扱った始めての一般書であるそうです。

私は生物分野にはあまり詳しくないのですが、
ある程度知識のある人から見れば、
まだ研究の途上にある研究の混沌とした様子が
より感じられるのではないでしょうか?


学部教養〜専門初級の生物の知識がある人にお勧めです。
最先端の研究を垣間見ることができるでしょう。

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engineer_takafumi at 15:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0)