⇒ その他の理系本

2011年08月24日

科学的とはどういう意味か

本日は
科学的とはどういう意味か
です。


本書は、書店でタイトルに興味を引かれ、購入しました。


工学部で博士号をとりながら、
小説家という文系の職業についた著者。

この本はそんな著者が科学的ということの意味、
現代人が科学の知識を身につけなければいけない理由
などについて説きます。

福島の原発事故もあって、
普通の人も科学技術の現状に目が向います。

だから、科学的な「理系」の考え方を説く本書は
時代に求められている本といえるでしょう。


ただし、少し上から目線なのが気になります。
科学系の本はただでさえ、上から目線になりがちです、
一般読者をターゲットにするのであれば、
もう少し目線を下げてくれた方が好感がもてる気がします。


科学的な考え方というものを知りたい、
という方にはおすすめの一冊です。
特に、専門知識などは必要としません。

また、科学や技術を世の中に伝えようとしている人は
ぜひ一読しておいた方が良いと思います。

「文系」と「理系」の対立について、
使える視点が得られることでしょう。


続きを読む

engineer_takafumi at 23:43|PermalinkComments(0)

2011年08月06日

未曾有と想定外

本日は畑村 洋太郎氏の
未曾有と想定外
です。


本書は「失敗学」で有名な畑村氏が、
今回の震災をどうとらえているか知りたくて購入しました。


原発事故の当事者たちの「想定外」という言葉に
社会の批判が集まっています。

ただし、分野は違いますが、技術に関わる僕には
今の東電や国の叩かれ方には違和感を感じています。


一方、畑村さんの言葉には、
「想定外」や「未曾有の災害」という言葉を
安易に繰り返すことを厳しく戒めるかたわら、
社会が原発関係者を追い込んで「原子力村」ができた現実や
エンジニアの立場への考慮も含まれています。


あまりにも失うモノが多かった今回の災害ですが、
過ぎ去ったことは、そこから学ぶことでしか意味を見出せません。

そんな学びを多く引き出そうと考える著者の姿勢には
大変共感しました。


なお、畑村氏は原発事故の事故調査・検証委員会の委員長に
着任されたとのことです。

ぜひ、日本がこの事故から多くを学ぶために
畑村さんの力を発揮していただきたいものです。


特に、安全に関わるエンジニアには
必読の一冊だと思います。

続きを読む

engineer_takafumi at 22:08|PermalinkComments(0)

2011年07月05日

躍進する新興国の科学技術

本日は 科学技術振興機構 海外動向ユニットによる
躍進する新興国の科学技術
です。


当面ディスカヴァーサイエンスシリーズは
全部チェックしようと思い、本書を購入しました。


本書は中国を除く、新興国の科学技術開発の
現状について書かれたものです。


新興国というと、急激に成長している、
というイメージがあるのですが、
本書では負の面もきちんと書かれており、
それぞれの国が抱える課題などが明らかになり
大変参考になりました。

新興国とひとくくりにしますが、
世界に目を向けると多種多様な状況なのだな、
と感じました。


本書ではロシア、インド、ブラジル、南アフリカ、韓国
台湾、イスラエル、ASEAN諸国が対象になっています。

特に新興国の中でも、イスラエルや南アフリカなど、
日本ではあまり情報の入らない国の様子が
大変興味深かったです。

国の体制や社会システムなどに重点が置かれた本ですので、
科学技術に直接携わる人はもちろん、ビジネスマンなどにも
おすすめできます。

続きを読む

engineer_takafumi at 06:22|PermalinkComments(0)

2011年04月20日

儲けたいなら科学なんじゃないの?

本日は堀江貴文氏、 成毛眞氏の
儲けたいなら科学なんじゃないの?
です。


本書は堀江さんの科学技術に対する考え方を
知りたくて購入しました。


堀江さんが宇宙開発をやっているのは有名ですが
具体的にどのようなビジョンを持っているのかは
よく知りませんでした。

この本を読んで、彼が「安く宇宙へ」を
目指していると知り、なるほどと思いました。

値段さえ安くなれば、新たな用途が開けます。
単にコストダウンにとどまらず、
安くなると質的な変化も起こせるのです。


その他にも色々な分野の話が出てきますが、
おそらく科学的には「?」ということもあるのでしょう。

しかし、彼にはビジネスの才能があります。
科学技術に携わる人間は
こんな視点も見習うべきでしょう。

難しい本ではないので、
電車などでさらっと読めてしまいます。
エンジニアには特におすすめです。

続きを読む

engineer_takafumi at 01:21|PermalinkComments(0)

2010年04月30日

科学技術は日本を救うのか

本日は北澤宏一氏の
科学技術は日本を救うのか
です。


Discover社が新たに創刊したサイエンスシリーズということで
興味を持って本書を購入しました。

この本は「科学技術」と銘打っていますが、
科学技術というより、むしろ日本の経済の本になっています。


そして、研究者らしくその論旨は明確で論理的です。

なぜ、日本は不景気なのか?
どうすれば、不景気から抜けられるのか?
その中で科学技術が果たす役割はどのようなものか?

この本の中に明確な答えがありました。


私はエンジニアをしているのですが、
その仕事がどんな道筋で、日本を良くすることに繋がるのか?
そのイメージを持つことができた一冊でした。


研究開発という仕事は面白いのですが、
反面それが社会に及ぼす影響に十分配慮できないことがあります。

そんな、研究開発の仕事についている人には
ぜひ一読してもらいたい一冊だと思います。

続きを読む

engineer_takafumi at 10:43|PermalinkComments(0)

2009年12月26日

NASAより宇宙に近い町工場

本日は植松 努氏の
NASAより宇宙に近い町工場
です。


本書はタイトルに魅力を感じて購入しました。

ページをめくってみると、本当に素晴らしい本でした。

著者の植松さんは、北海道の札幌と旭川の間にある
小さな赤平という町で町工場を経営されています。

しかし、そんな小さな町工場に、
採算度外視でロケットに情熱を注ぐ、
NASAのような心意気と技術を持った人達がいるのです。

著者は、小さな頃から、少し変わっていたようです。
ですので、やりたいことを周りに否定されるという
苦い思い出も多いようです。

それでも、現在著者がやっていることを見てみれば、
本当に夢ってかなうんだな、と感じさせてくれます。

そんな人が語る「どうせ無理……」撤廃宣言です。

閉塞感でいっぱいになっている今の日本ですが、
すがすがしく、未来に希望を与えてくれるような一冊です。

科学技術発の未来ビジョンです。
できれば全ての子供達に、そして大人たちも、
読んで欲しい本だと思います。


続きを読む

engineer_takafumi at 22:15|PermalinkComments(0)

2009年12月13日

科学技術者のみた日本・経済の夢

本日は北澤宏一氏の
科学技術者のみた日本・経済の夢
です。


本書は著者の北澤さんの講演会にて
資料としていただきました。

北澤さんは高温超伝導関連の研究者で
90年代半ばの世界的な超伝導ブームの火付け役
ともされている方です。


ただし、本書は科学技術の本というより
むしろ経済の本で、僕は経済関係の内容が
特に参考になったと感じました。

増え続ける国債、日本人の貯蓄、貿易黒字、ゼロ金利、など
日本を経済が今のような状況に陥った、
本当の原因を理解することができました。

そして、この本は問題点の羅列にとどまらず
第4の産業を作り出すという、
将来のビジョンを掲げています。

さらに、そのビジョンの実現のために、
科学技術にできることも示されています。


読後感が良い本ですので、
危機感ばかりをあおる本に疲れてしまった人には
特におすすめです。

あと、技術者にもおすすめですね。
技術で世の中にビジョンを与えるという
意味が示されると思います。


続きを読む

engineer_takafumi at 09:00|PermalinkComments(0)